お正月から1月末まで

題名
お正月から月末まで

純文学作品です。

息子の慶一が言った。お爺さん!やっと里菜の住所がわかった。すぐに行ってくる。お爺さんが言った。よくわかったなあー。と言った。慶一はやっぱり父親だよ。親子よく似ている。慶一も川越に見つけに行った。慶一は言った。里菜の住所は川越市今成町だ。慶一は財布を見た。数万円あった。でも高速道路を使わずに。国道254を走った。久しぶりに埼玉県でした。昔。慶一は城西大学に通っていた頃は。毎日見慣れた道路でした。50年前も今も道路そのものは変わってない。越生町から毛呂山町を通って坂戸市に着いた。街の真ん中は混んでて。失敗したと思った。これならば。日高町まで行ってから日高川越線の道路を走れば良かったと思った。入間川手前にガストで休憩した。スマホのナビゲーションの使い過ぎで充電しないといけなくなる。そこから西川越市は直ぐでした。入間川を渡った。田んぼがあり。回りは農家が多く。どちらかというと侘しい感じでした。西武線東武線が2本並行に走っていた。そういえば。夏頃。娘の後を電車に乗って。後をつけた。そしたら西川越駅で降りた。その時は行方がわからなくなる。駅は小さく。それにしても。辺鄙な町。何にもない。そんな印象でした。  こんなところに5年間も置いて気ぼりにしてしまったことを悔やんだ。里菜!!悪かった!さぞ。つまらなかっただろうに。家に帰りたくなったら。すぐに帰ってきてくれた方がよかった。娘はまだ子どもだった。慶一は娘が家を出た日を覚えていた。なぜか?里菜は大喜びしていた。それが。だんだんと歳を重ねるたびに。顔から笑顔がなくなり。もともと太り気味だったのが。骨ばかり痩せてしまった。あんまり食べてないようでした。そんなことを思い出したりしながら。やっとアパートが見つかった。3階建ての301でした。長い時間。アパートの駐車場にクルマを止めて待っていた。寒くなるとすぐ近くにあるファミリーマートでコーヒーを飲んだ。そしたらうまかった。またアパートに行った。確か夕方の5時から8時まで待っていた。周りの地形を調べたり。どこかそこらにご飯でも食べるところがあって寄ることもあるかと思って見渡した。何にもない。駅の反対側に喫茶店がある。そこならば里菜が寄りそうかなぁと思った。里菜がまだ元気だから。それだけが嬉しい。その日は会えませんでした。でもその日は寒い日で北風が強く吹いていた。クルマの中で凍えていた。時々隣や真下のアパートの出入りがあった。また。迷子にならない程度に近所をクルマで流した。あまり楽しい場所ではなかった。悪いことをしてしまった。妻は帰って来い!!と言ったとか。高崎市にアパート借りてくれた方がよくないか?とか娘に言ったらしいが。娘が言うことを聞かないらしい。その辺の娘の気持ちはわからない。その日は夜の8時に家に帰った。そしてお爺さんに里菜のアパートに行ってきたよ!と話した。ポストにジャニーズのファンレターの葉書が届いていたから。もらってきた。確かに里菜が住んでいるよ。と言った。その後。慶一とお爺さんはまた。激論になった。それというのも。川越市の隣り町。ふじみ野に行かせたのは。お爺さんでした。その頃。慶一の家は貧乏でした。里菜が卒業したらすぐに就職してもらわないと里菜の奨学金の返済が始まる。それなので慌てて就職させてしまった。その時。お爺さんが専門学校まで行って。ふじみ野の介護施設を探してきてしまった。慶一は里菜を藤岡総合病院の理学療法士にさせたかった。それなのに。そんな遠くに行かせてしまったことを。お爺さんに詰問した。そしてその結果。里菜をこんな可哀想な思いをさせた!!慶一はカンカンに怒った。それは。お爺さんの悪い癖でした。なんでも働けば良い!!そしてお金さえ持ってくればイイ。里菜の未来とか。また。悪い男性に騙されるとか。そんなことを心配もしない。また。その後。娘の里菜が住所や働いている会社を隠してしまった。だからますます縁遠くなる。里菜は。慶一といっしょに生活している時は。「わたしは早く結婚するの!そして赤ちゃんを産むの!!25歳まで結婚するわ!!」とそればかり話していた。里菜は普通の女の子よりもませていた。年齢も同級生よりも歳上に見えた。また。身長も高くて痩せていた。そのせいか。歳上の男性が好きらしい。里菜は?同じ歳の男性は駄目なの?話しが合わないの?と変なことを話していた。また。こんなことも言った。「里菜は子どもの頃は可愛かった!!」とそればかり話した。今でも美人だよーとこころの中で思った。里菜の外見がちょっとだけ変わった。コートが黒になった。それは。なんか。暗い人生をじっと耐えているかのように見えた。また女の子だから容色が衰えた。気の毒だと思う。妻は大馬鹿だ!!里菜も大馬鹿だ!!年配者はよく知っている。実は。家族仲良く一緒にいる事がもっとも幸せなんだよ!!とこころの中で叫んだ!!


そして確か3回目には。90歳のお爺さんが一緒に行く事になりました。藤岡警察署に行った。里菜の携帯電話が繋がらない。それなので。警察官に里菜の携帯電話に電話してもらうことにした。里菜がお付き合いしている男性の情報がわからない。どこの人なのか?どこの大学を出ているのか?どんな仕事をしているのか?また男性が9歳上なのも気になる。なんで今まで独身なのか?また。やっぱり相手の両親の情報も知りたい。お爺さんは心配で。居てもたっても居られない。里菜の彼がどんな人なのか知りたいらしい。またお爺さんは里菜を家に連れ帰ることにすると言った。なんとか。やり直しをさせるという。慶一は。半信半疑。出来たら連れ帰るのは可哀想だと思う。その日もやはり下の道を走った。国道254。暗くなった国道を疾走した。NISSANノートは走りが良い。午後6時に到着した。案の定。里菜のアパートには誰も居ませんでした。少しだけ待つことにした。喫茶店に行く。そこでサラダと珈琲とサンドイッチを食べた。お爺さんは落胆していた。それは喫茶店で詰まらなそうにしていた。またクルマで里菜のアパートに行きました。灯が暗くて。まだアパートに帰って無かった。帰ろう!とお爺さんが言った。また下の道を群馬まで走らせた。その日も寒い日でした。冷たい風が強く吹いていた。こんなところに5年間も娘を置いてきてしまった。お爺さんも済まなそうな顔をしていた。ふじみ野の介護施設を選んだのは。お爺さんでした。専門学校まで行き。お爺さんがふじみ野の介護施設を探してきた。そして無造作に働きに行かせてしまった。そのあと。正直言って。慶一は仕事がなくて。父親らしいことが出来なくなっていた。だから娘には干渉も出来ない。それにしても。20歳から25歳という。娘にとって最高の幸福の日々を過ごさせたかった。それをこんなところに無惨にさせてしまい。申し訳なくて。泣いても泣いても。償いきれない思いでした。

慶一は。お正月からお爺さんを毎日毎日数時間も詰問した。「 あのなー!!介護施設というところは地獄なんだ!!経営者も借金地獄。介護士などの勤め人も。安い給与で働かざる負えない。マイクロバスの運転手に至っては。1月の給与が10万円なんだ!!だから入所する老人は介護士から乱暴受けたり殺されたりする。また女性介護士は給与が安くて食べていけなくて。売春も日常茶飯事なんだ!!夜勤の男性介護士は。人が集まらないから。ほとんどが前科者なんだ!!だからそこで働く若い男の子は正直言って。頭が極度に悪い。見た目は普通だが。通信簿はみんな1と2なんだ!!里菜がお付き合いする男性が居ない!!話しか合わない!と嘆いた。
里菜を!大切な里菜をそんなところに。大切な娘を働かせたりしたら。娘はボロボロになるだけだろう。」お爺さんは畳に頭を付けて泣いた!!悪かった!俺が悪かった!!わからなかった!そんなに介護施設が悪いところだと初めて知った。そのあと慶一は群馬県藤岡市の〇〇介護施設の話をした。その〇〇介護施設はお爺さんの友達が経営していた。慶一は言った。〇〇介護施設はもう倒産するよ!!農協や小学校の通り面したところは。もう誰も入所するお年寄りは居ない。また小学生は。先生や家族から〇〇介護施設の前を通ったらマスクの上から顔を手でおうように教わっているという。あのあたりは道でもコロナウィルスが外を蔓延しているから!そんな状況なんだ!あーアー😮‍💨僕は哀しくて哀していられない。大切な娘は。群馬銀行藤岡市役所などの綺麗な制服を着させてのんびりと働かせたかった。そこで若くてかっこいい男性と知り合って結婚させたかった。それをお爺さんは勝手判断で里菜を介護施設に入れさせてしまった。お爺さんは悪かった!悪かった!俺は。大失敗してしまったと声を上げて泣いた。でももうどうしようも無い。よし!!まだ間に合う!!なんとかもう一回。やり直しが効くと思う!!と言った。慶一はふざけるなぁ!!女の子の20代の5年間は。普通の10年間に値する。やり直しが効くものか!無理だ!また里菜が可哀想過ぎる。やっと会社に慣れてきて友達も出来たのに。また群馬県に戻せるものか!!植木と同じだ!あっちこっちと場所を転々とすれば植木は枯れてしまう。それはお爺さんは出来るかもしれない。しかしながら。10人中9人は。最初失敗すると一生立ち直れないものなんだ!!だからもう里菜はお仕舞いだ!どうしてくれるの!ひとり娘だぜ!うまく行かないからやり直しさせるからと言ってそんな簡単にやり直しが効くものか!