初恋の思い出

群馬県高崎市

高崎城址公園の夜桜。

黒い湖面に鮮やかなピンク色。恐ろしいほどの不気味さ。

 

僕の人生は、18歳で終わっている。いや。15歳で終わったと感じた。そのあとの人生は、全て徒労であった。恋も同じ。高校から大学から社会人になっても好きな女性に出会えなかった。恋そのものもしなくなっていた。だから女性とは、20代から30代までひとりも付き合わなかった。女性に興味がなくなっていた。いつも頭の中には、小学生時代の同級生の女の子Yがいた。その女性は、名前を書けない。すぐ近くに住んでいたから。今でもお盆様になるとお寺さんで遠くから眺めたりした。声もかけない。近くにも寄らない。顔を見ない。僕の頭の中には、小学生の頃のYの顔だけが記憶に残っていた。同窓会にも出席してないのは、その女性に会うのが怖いから。どんな話しをしたら良いのかわからなかった。小学生の頃は、一緒に学校から歩いて帰った。その女の子もいつも一緒。その時も話しが出来なかった。通学路は、まだアスファルトで舗装されて無く。雨が降ると道の中に水溜りができた。雨も降らない時期には、砂埃が舞つた。冬の季節には、赤城山から、北風が吹き抜けた。

幼なじみの同級生のKやTは、ザックバランでした。クラスでも成績が良く。スポーツも出来た。僕は、勉強が出来ない。脚も鈍く小児喘息で休みがちで、尚且つ大馬鹿者でもあった。僕は、その女の子のYがKやTが好きだと勝手に思った。二人は、いつもオール5。僕は、オール3。体育と音楽は、いつも2。大好きな女の子のYは、僕のような頭の悪い同級生は、嫌いだろうと思った。Kは、その後。慶應義塾大学に合格した。Tは、上智大学に合格した。その女の子は、青山学院大学英文科に合格した。僕は、勉強は、していたが、英語も数学も頭の中には何も入らなかった。もうその時には、女の子のYは、僕を嫌っていると思った。あまりの惨めさに生きている気力もなくなっていた。彼女は、呆れて物も言わなくなっできたと勝手にも思い込んでしまった。頭の良いKやTが好きだと思った。僕はと言えば、小学生の高学年から中学生高校生にかけて本ばかり読んでいた。夢は、小説家。家では、吉川英治宮本武蔵司馬遼太郎の北斗の人。五木寛之青春の門森村誠一の新幹線殺人事件。などを手当たり次第乱読。大学の一年生でドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」も読む。あまり主人公が完璧な聖人なのが、不快だと思った。それよりも父親に人間のあるがままの姿を感じた。勉強よりも小説を読むことに熱中した。そんなある日。春休みの5月だと思う。寒い冬が終わっていた。誰が催したのか知らないが。みんなで大学の合格祝いに数人が集まって藤岡市の日野地区にある民宿に中学校時代の担任の斎藤先生を招待して泊まりに行きました。僕は、劣等感と学校も勉強が分からなくて、嫌気が差して行かずにいた。僕は、一流大学に合格した同級生に対して嫉みがあり。日野の民宿には、行きたくなかった。楽しんで居る中で、いじけているのは、惨めでした。日野の民宿は、藤岡市を流れる鮎川の上流にありました。ゴルフ客や地元青年会が利用していた。川沿いの道をくねくね登ると山の頂きにありました。まだ炬燵らしきテーブルにみんなが座り。雑談した。子どもの頃からの付き合いなので、誰もが好き勝手に話していた。僕は、まるで馬鹿のように黙り込んでいた。はじめに上智大学に合格したTが嬉しそうに学生生活の話しを始めた。皇居近くの土手の桜の下で新入生が集まって花見酒をした話しを楽しそうに話してあた。また慶應義塾大学に合格したKは、テニス部🎾の話しをしていた。テニス部の部室で寝泊りしている。勉強は、つまらないし。たいした事ないとか。退屈で堪らないとか言っていた。昔からバンカラ風でした。僕は、話すことも無く黙り込んでますます劣等感に苛まれていた。その時でした。多分主催者のYが話し始めた。僕は、その好きな女の子Yの話しに驚き、ガンときてしまった。Yは、上智大学に合格したTと二人で渋谷の映画館に映画を観てきた話しを始めた。マジかよ。僕は、勿論の事。女性と一緒に映画館に行った事もない、まして渋谷のような楽しそうな場所さえ行った事が無かった。あまりの惨めさに落ち込んでしまった。その場で家からに帰ってしまいたくなるが、気の弱い僕は、その勇気もなかった。

中断。

 小学校6年生の時。僕は、Yが無性に好きでした。Yは、しきりにブロンテの「嵐が丘」という小説について、僕に話しかけてきた、正直言って。読んでないし。難しそうな本だと思った。熱烈な恋愛小説であることは、後で知りました。好きな女性に一生涯ストカーする男の物語です。その時に僕は、Yから、ラブレターをもらった。長い小説らしいが読めなかった。恥ずかしいし。なんで僕なんだと思った。また会うたびに同級生

同士で結婚している家も村の中には、あるわ!と言ってきた。僕は、あまり近づきすると逃げたくなった。まだもっと歳を取れば、好きな女性と恋愛すると思った。だからYが好きでしたが、この時に僕は、意地悪をしてしまった。他の女性にも恋心を感じら風を装ってしまった。Yは、悲しそうでした。好きだけれど、寄って来られると逃げたしてしまった。なんという事をしてしまったのかと後年になり思った。そんな意地悪は、自分も恐ろし思った。

今から思うとその同級生の集まりは、女の子のYの思いつきだと思う。わざと僕の前で別の同級生とのデート❤️の話したのだろう。それは、僕が誰よりもYの事が好きだから。激しく嫉妬するのを見て、僕がYを好きなのを確認したかったのだろう。でもその時は、辛かった。その時に、もう恋は、お終いだと思った。

 


後年。20代後半から、30代前半。僕も。そろそろ結婚を意識してきました。職場やテニス倶楽部で知り合った女性に恋こころを感じてきました。そんなある日。家で寝ていたら、夢を見た。

出てきたのは、小学生の頃の女の子のYでした。